続・君は横須賀らんちゅうを見たか!第10話 四国~関東・車で金魚旅

 

君は横須賀らんちゅうを見たか!第9話 四国~関東・車で金魚旅の続き…

というか、補足テキストです。

 

 

実は。

先のエントリーや今回のタイトルで便宜的に

「横須賀らんちゅう」と呼んできましたが、

横須賀らんちゅう会の方々は、

単に「らんちゅう」と呼ばれているそうです。

 

なぜか?

「横須賀らんちゅう会」の「らんちゅう」とは、

どういうものか、以下、私なりに書いてみます(゚Д゚;)

IMGP5438

 

素人の私の理解が合っているかどうか、

甚だ心許ありませんが、

間違いがありましたら、ドシドシご指摘ください。

 

 

 

1884年(明治17)、初代・石川亀吉氏により、

日本最古のらんちゅう愛好会として

「観魚連(今の観魚会)」が発足。

秩父事件とかがあった年ですね(゚Д゚;)

 

その後、明治~大正年間に関東~関西で

主な愛好会連合が立ち上がります。

横浜観魚会、浜松錦友会、、京都金鱗会、錦蘭会など。

(参考:錦蘭会の歴史

 

第二次大戦最中の1940年(昭和15)、

観魚会を中心に「日本らんちう連盟(今の日本らんちゅう協会)」が

設立され、全国の主だった愛好会が加盟します。

この時、2代目・石川亀吉氏が「らんちゅう宗家」と

呼ばれるようになったそうです。

 

 

その頃のらんちゅう界は多士済々だったようですね。

現在、協会系と対を成し、愛好家も多い

「宇野系らんちゅう」の創始者・宇野仁松翁もそのおひとり。

 

 

一方、当時の「スターらんちゅう師」のひとり、

尾島茶尾蔵氏は観魚会で好成績を納め続けていたようです。

1941年(昭和16)、自らの会(現在の東京愛魚会)を立ち上げ、

のちに「尾島系」と言われる系統を確立します。

頭が深く、長手で、尾筒が太いのが特徴だったとか。

(参考:石川更紗らんちゅう会サイトの愛魚会の経緯

 

 

宇野系らんちゅう成立の過程には、

この尾島系の魚が使わてるそうです。

一方、宇野仁松翁は、日本らんちゅう協会の第一回全国大会が

1956年(昭和31)に開かれた時も列席されていますし、

宗家と親交があったことは有名です。

(参考:日本らんちう協会と仁松翁- らんちゅう至上主義。論外

 

IMGP5318 参考写真:懐古堂さんに居た宇野系らんちゅう。

 

 

何が言いたいかというと、

この頃は、個々のらんちゅう師の系統はあっても、

現在のように協会系、宇野系という区別は

無かったんですね∑( ̄□ ̄;)ナント!!

同じ土俵で魚の良し悪しを競ってた。

(・・・ということも、今回初めて知りました)

 

 

 

そして1960年(昭和35)ごろ、横須賀のらんちゅう師、

故・林久雄氏が尾島氏系統のらんちゅうを入手し、

手を加え、ご自身の系統として確立されていきます。

それが「横須賀らんちゅう」の出発点、ということです。

 

 

その後、1971年(昭和46)、林氏のらんちゅうの系統保持を目的に

横須賀らんちゅう会が設立され、現在に至る、と。

(設立当初は「横須賀観魚会」)

IMGP5499現在の横須賀らんちゅう会副会長さんにらんちゅうを掬って見せていただきました

 

 

 

極論すれば。

昭和初期、らんちゅう界を席巻した尾島氏の魚の

特徴を強く今に残している系統のひとつが、

横須賀らんちゅう会の魚、といえるかもしれません。

 

 

 

まとめると。

 

協会系も宇野系も横須賀らんちゅうも、

実は「根っこは同じ」。

少なくとも、協会系のらんちゅうにとっても

宇野系らんちゅうにとっても、

横須賀らんちゅうは「親戚筋」。

 

石川宗家を中心として、

きら星のごとくスターが居た時代があり、

同じステージで競い、協力してきた。

 

進化の枝分かれが起き、

それぞれ独自に発展していった。

インパクトがあり、体も大きくなる方向で進化させた人たちもいれば、

往年の姿を色濃く残す会もあった、ということかと。

 

 

横須賀らんちゅう会が平成22年に発行した

「らんちゅう愛好70年」という冊子に、

(いただきました!ありがとうございます!)

林氏の書き遺した、らんちゅうの基準が掲載されており、

「1番重要なのはキメと鱗の細かさである」

書かれているのを見ても、

独自性が見て取れますよね。

 

 

でも!

独自に進化したとしても!

どれも「らんちゅう」なんですね。

横須賀らんちゅう会の人たちが、

自らの魚を単に「らんちゅう」と呼ぶのは

そういう事なんだろうと思います。

 

 

 

 

では、現在、主流を成す協会系らんちゅう、

ファンも多く、愛好家も多い宇野系に対し、

一つの「系」が成立している横須賀らんちゅうが、

あまり世に知られてないのは何故か?

 

副会長さんらにお聞きすると、

横須賀らんちゅうは「歩留まりが悪いんですよ」とのこと。

品格を求められるだけに、

残せる魚の比率が低い。

また兜巾型の肉瘤は発達が比較的遅いそうで、

見極めに時間が掛かる・・・つまりは施設が相応に必要になる。

飼育・繁殖をするうえで大変なことの一つだそうです。

 

 

さらには商業ベースにまったく乗ってない…

お店では買うことができないというのも

特徴だと言えます。

 

横須賀らんちゅう会に所属しないと

飼うことはできない、

多分に「保存会」的性格が強いようです。

 

 

でも、こういうらんちゅうが居ること自体が驚きでしたし、

もっと世に知られて良いと強く感じました。

(知らなかったのは私だけかも、ですが・・・)

 

この黄金色の美しいらんちゅうたちが、

いつまでも後世に伝わってほしいと思いますし、

らんちゅうの奥深さを改めて思い知った@まつやまでした。

IMGP5394

 

横須賀らんちゅう会のサイトはこちら。

興味がある方はぜひご覧ください。

横須賀らんちゅう会

 

 

ツアーレポートは続きます。

 

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投稿者:

@まつやま

松山市に住む、金魚初心者@まつやまと申します。 琉金好きですがなぜだか今はらんちゅう飼育に忙殺されてます(笑)

「続・君は横須賀らんちゅうを見たか!第10話 四国~関東・車で金魚旅」への21件のフィードバック

  1. 私・・らんちゅうの魅力があまり。。な人です。
    でも、横須賀らんちゅう!綺麗ですね~
    歴史を追ってきちんと調べているまつやまさん、頭が下がります。
    こんなたたきのあるお庭・・作りたいな~

  2. 横須賀ランチュウ歴史も長く奥が深いですね(。・ω・。)
    流通に乗せずに保存会として系統維持してるのも凄いなぁと思いました。
    ただ愛好家ものはヘルペスや固有の保有菌などの危険性も伴うので簡単に手を出せない部分がありますもんね(-ロ-;)υ

  3. 横須賀らんちゅうを見た事がありまして。
    あたし的感想ですが…
    パッと見が派手で目を引く協会系やちびっこくてプリプリしてる宇野系に比べて
    横須賀らんちゅうはわびさびのあるらんちゅうだと感じました。
    我が家の関東東錦にも共通な点があると思ってます。
    我が家の関東東錦は鈴木東や丸手に比べて頭の発達が遅くて確かに匹数を抱えなくてはいけないので場所を取りますね(^_^;)
    血を守る。系統を守るって並大抵じゃないと思いますよ。
    足りない部分があると他の血を入れて補いたくなる人がほとんどでしょうね。
    我が家もまだ確立はしてないけど今の系統だけを維持して行きたいあたしと
    他の血を入れて改良品種を作りたい旦那とのせめぎ合いですからね( ;´Д`)
    会として存続するにはそれ相当の覚悟がないとかなり難しいと思うので
    横須賀らんちゅう会さんは凄いと思いますよ( ´ ▽ ` )ノ
    希少ならんちゅうを見に行けて良かったね♪

  4. 凄い詳しい記事に、雑誌の連載を読んでいるようです!!
    まつやまさん、金魚だけのの月刊誌出して下さいよー(^^)d
    素人の私にはらんちゅうの区別は今一つ分かりませんが、説明されるとなるほどーって感じでした♪
    素晴らしい金魚の旅ですね(^-^)

  5. >あり?さん
    キレイでしょ~(∩´∀`)∩
    写真、がんばってみましたが、
    実物の持つ美しさはとても表現できないです~
    歴史は・・・私の脳の容量では調べるのに
    少々骨が折れましたが、
    少々さかのぼらないと説明できないと思い、
    いただいた小冊子などを手がかりに
    自分なりにまとめました(;・∀・)
    読んでいただなら幸いです~

  6. 今回、レポート終焉まで観戦しようと思っていましたが・・・ノックアウトされました!
    うっ、羨まし過ぎるぅぅぅ・・・。

  7. おおお…らんちゅうって奥深い( ゚∀゚)
    まつやまさんのブログ、ほんとに雑誌の連載並みに詳しくて面白いです( ・´ω`・ )
    横須賀らんちゅう会のHP、すごく渋いですね!(´∀`*)

  8. >トマオニさん
    流通に乗せずに、ってところは、
    会員さんの結束の強さというか、
    価値観がかなり統一できてないと
    難しいですもんね。
    スゴイと思いました(∩´∀`)∩
    ・・・あくまで私見ですが、
    ヘルペスは愛好家モノでも
    養魚場モノでも、可能性だけは
    ゼロじゃないと思ってます(;・∀・)
    どれだけ細心の注意を払って予防しているか、
    可能性の少ない魚を扱ってるかという
    違いだろうと思ってます。
    また、横須賀らんちゅうみたいに
    「まず混ぜない」だろう魚種は、
    逆に危険性は少ないんじゃないかと
    思ったりもします。
    ただ、そもそも通常は入手不能ですから、
    心配のしようもないですけどね(;・∀・)

  9. >碧(みどり)さん
    侘び寂び!
    なるほどですね!
    味、なんて表現が
    金魚の世界はあるそうですが、
    まさにそれは、侘び寂びに通じるかもですね。
    会としてやっていくのは、
    確かに難しいところがあるでしょうね。
    ホント、魚も貴重ですが、
    会としても貴重な存在だと思いました。
    碧さんも関東東錦で系統を作るところまで
    行かれるのかなぁ・・・
    だとしたらスゴイっすね!
    でもホント、見にいけてよかったっす!

  10. >歌うオバヤンさん
    お褒めの言葉、感謝です!
    ただ、月刊誌は無理デスよ~
    商業ベースでやるのは大変だと思います。
    うたおさんが出資してくれたら頑張りますwww
    今回の旅、ホント充実してたんですが、
    レポートは少々手ごわいです(笑)

  11. >うまうまさん
    おぉ!
    うまうまさんは反応すると思ってました。
    らんちゅう好きの方なら、
    興味あるかもですね~
    ホント、私なんかが見たのでは
    猫に小判、豚に真珠ですわ~

  12. >みやたさん
    ありがとうございます~
    本当はさらっと書きたかったんですが、
    横須賀らんちゅうの価値を
    表現するには、らんちゅうの歴史を
    振り返る必要があった、ってだけでして(;´∀`)
    ホント、おこがましいと自分でも思うし、
    らんちゅう愛好家が見たら失笑ものかもですが、
    門外漢から見た良さってのが
    表現できてればうれしいデス(;^ω^)
    HP、渋いデスね~

  13. >@まつやまさん
    門外不出の横須賀ランチュウ
    他のランチュウと比べる事自体が馬鹿げているよーな気さえしてきました(^^ゞ
    おっしゃる通り、金魚の保有菌はどこの養魚場にもありますね。
    導入時のトリートメントさえきっちりすれば問題ないですし、外に出ない金魚なら心配無用も納得です(^-^)v
    しかし、あれこれ飼いたい病の私にはまず縁が無いであろう横須賀ランチュウです(笑)

  14. すごく興味深く拝読しました!
    こうしてひっそりと飼育、保存されている金魚も素敵だなぁと思います
    こだわり抜くことができるらんちゅうはホントに奥が深いですよね~
    ありがとうございます!

  15. まつやまさんの感動がすごく伝わってきました(*^▽^*)
    愛好家さん達の手で、
    静かにひっそりと
    愛されて、維持されて続けている系統なのですね。
    ロマンを感じました~。
    ヒラヒラも感動しました。
    でも、まつやまさんが記事にしてくれなかったら、
    知らないままでした。
    ありがとうございました(o^∀^o)

  16. >トマオニさん
    あ、そういう点では私も同じです。
    アレコレ飼いたい病です(笑)
    抑えてますけど・・・
    やるとなったら多少の脇道があったとしても、
    メーンは横須賀らんちゅう!ぐらい
    決めないと難しいんだろうな、とは思いますが、
    情熱を傾ける価値はあるだろうな、とも感じました。
    仮に愛媛にそんな会があったら、
    やっぱり興味津々ですもんねヽ(´ー`)ノ

  17. >松風さん
    ありがとうございます。
    これも、気持よく相手してくださった、
    横須賀らんちゅう会の副会長さんのおかげです。
    私みたいなドシロウト相手に、
    根気強く話してくださいましたからねヽ(´ー`)ノ

  18. >ヒラヒラ72さん
    いえいえ(゚Д゚;)
    素人金魚ブロガーのレポートですから、
    もっと見る人が見れば違うんでしょうが・・・
    ホント、感動しましたヽ(´ー`)ノ
    多勢に流されない、って感性は
    私、大好きですし、自分が浮ついた人間なので、
    憧れますね~

  19. こんばんわ!
    深い~(._.)φ にしても、濃い旅ですよね(〃'▽'〃)
    羨ましいなあって思うのは簡単だけど、実際色んなお宅訪問する勇気ないっす(ToT)
    まつやまさんのブログのおかげで知ることの出来る金魚、金魚屋さん沢山あります!(^^)!
    感謝感謝です!さっそく流通してないと聞いて飼ってみたいと思ったミーハーでした(*_*;

  20. >ふじさん
    いやいや、ふじさんなら分かってくれるでしょ。
    大変なんだよ、濃すぎてwwwww
    金魚が好きったって、
    まだ飼育歴3年の素人ですよ。
    らんちゅうなんか、3尾飼って2尾死なせる程度。
    しかも水槽飼育で福だるまと混泳ですよ(゚Д゚;)
    そんなレベルの人間が、
    それこそ職人のような金魚愛好家と
    話して文章書くなんて、本来ムチャだよ(笑)
    しかも、今回の横須賀らんちゅうが凄いのは
    見て分かった部分もあるけれど、
    らんちゅう界における本当の価値なんて、
    私に分かるはずないし(´;ω;`)
    もちろん、素人目にも美しいというのは、
    本当に良い魚たちだからだろうと思いますけど。
    そのへんは差っ引いて読んで欲しいと
    せつに願う今日この頃です~
    ミーハー的に欲しいのは、私も理解できたりします!
    でもまぁ…我が家の設備では無理だし(´;ω;`)

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