3ヵ月遅れの誕生日プレゼント

 

君の誕生日は5月。
その時、私は心筋梗塞で入院してた。
誕生日のお祝いどころか、
心配かけた。

先月、いよてつ高島屋で開かれた
横浜中華街展。
君と子どもと一緒に出掛け、
いつもなら見向きもしない、
アクセサリー売り場にふと足が向いた。

トルコ人の行商が居て、
トルコ石のアクセサリーが売られてて・・・・
中華街展なのに、何故トルコ?
という疑問はあったけど(笑)

そこで可愛いネックレスを見つけた。

 

この色は、君が好きな天色。
この形は、私が好きな金魚。

 

たいして高くはなかったけど、
いつも家族優先の君は、
値段で尻込みしてた。

君は結婚前も後も
高価なアクセサリーを買ったことがないし、
ほしいと言ったこともない。

それに甘えて私も大したものは
何も贈ってなかった。

だから買うことにした。

 

3ヵ月遅れのバースデープレゼント、
ってことで。

 

家族の世話、猫の世話、
そして私の趣味なのに、
金魚の世話を手伝ってくれて
本当にありがとう。

日常に追われてると、
つい、伝え忘れてしまうけど、
いつも感謝してる。
君の笑顔で救われてる。

自分勝手な私だけど、
これからも、どうぞよろしく。

IMGP8048

 

妻へ。
グリーティングカードに代えて。

 

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らんちゅう師・佐藤実さん一周忌に寄せて

 

昨日(28日)は、会社で仕事しました。
夜遊びにも出ずに、夜は静かに過ごしました。

この日は、らんちゅう界で名を馳せ、
ミラクルバクテを世に出したことで知られる、
静岡県三島市の故・佐藤実さんの命日。
昨年60歳で逝去されました。

@まつやまは、佐藤さんと
ミラクルバクテを通じて知り合い、
遠くに住んでいながら、
しかも、らんちゅうを飼っていないにも関わらず・・・
短い期間ではありますが可愛がっていただきました。

そのことは昨年、
追悼エントリーでも書きました。

らんちゅう界の巨星、ミラクルバクテの佐藤実さん逝く

今でも、らんちゅうのことを、
さっぱり分かってない@まつやまですが、
佐藤さんの死後、その凄さを、
・・・佐藤さんには申し訳ないのですが・・・
生前よりも実感している気がします。

関東で、静岡で、
そして私の地元・愛媛で、
佐藤さんの系統のらんちゅう、
その血が入ってるらんちゅうと出会いました。

IMGP4490
今年5月、静岡県の愛好家さん宅で撮影

 

 

佐藤さんの系統・・・
その言葉が口から出る時、
どの愛好家さんも、
少し誇らしげに見えました。

「佐藤実」の名は、
らんちゅうの世界では
現役バリバリなんだな、と
何度も思いました。

らんちゅうで「良い魚を生む系統」を
自身で創り出し、維持するというのは
本当に大変なことなんだそうです。

佐藤さんはらんちゅう業界で「作り手」として
高名を馳せ、自身の名義だけでなく、
系統の金魚たちが品評会で多くの賞を獲り、
そして今でも各地で賞を獲り続けています。

 

らんちゅうに詳しい人に聞くと、
系統を創ることは
「金魚の品種を一つ確立するのと同じ」
というぐらい、
困難で気の遠くなる作業なのだそうです。

 

金魚の世界では「○○系統」という言葉が
ちょっと曖昧な使われ方をすることもあるようです。

例えば、私が琉金を繁殖させるとして(笑)
飯田琉金と埼玉の琉金を掛けて、
それを「@まつやま系統」と呼んじゃう…
なんてのは本来の意味の「系統」とは、
かけ離れてますよね(;・∀・)

 

同じ系統同士の金魚で繁殖させれば、
親の体型や体色などの特徴を受け継ぐ仔が
一定の割合で確実に出る…
というのが、本来の「系統」なのでしょう。

その特徴は、少なくともらんちゅうを
本格的にやっている人が見れば、
例え写真越しでも、
「あの人の魚の形質が入ってる」と
ひと目で分かるレベル・・・

この辺は@まつやまには
想像がつかない世界ですが(;・∀・)

佐藤さんは本当の意味での
「良い系統」を創られたから、
らんちゅう業界で大きな存在だったのだと思います。

さらに。
品種を生み出すのと同じぐらいの
手間と年月をかけて、
一つの系統を創ったとして、
系統が出来てしまえば、
後は楽かと言えば、そうでもない。

そういう話を、
2011年夏に佐藤さんと初めてお会いした時、
聞かせていただきました。

「系統が出来た」といっても、
漫然と掛け合わせ続けたのでは、
いつか必ず「鮒に戻る圧力」に負ける。
何世代か累代すれば、
カシラや尾などの「ひと目で分かる」特徴が
薄れてしまう。

それを防ぐためには、
どうすれば良いか・・・
なんとなく皆が「タブーだと思ってること」を
タブーにしない、
金魚の常識に拘らない、
そんな話にコーフンしたのを覚えてます。

「こーいうことしたらダメって、
頭から決めつけちゃダメだよ」

そう言って悪戯小僧のように
ニヤリとされたのを今でも鮮明に思い出せます。

系統維持の話なんて、
@まつやまにとっては完全に
「豚に真珠」のレベルでしたが(笑)

それでも、
系統を守る、ということは、
系統を創る時と同じぐらい
気が遠くなるような作業と、
センスが不可欠だ・・・
と、思ったのでした。

また、そんな佐藤さんが監修したからこそ、
ミラクルバクテや
ちゃんこシリーズは、
多くの愛好家に受け入れられてるんだな、と。

IMGP1538

2011年夏、ご自宅にて撮影

 

その後も会うたびに、
らんちゅう門外漢の私に、
フランクに、そしてとても深い話をしてくれた佐藤さん。

今にして思えば、
私に金魚の世界の奥深さと、
深いところでの楽しみ方を
覗き見させてくれてたんですね。
「今も楽しんでるだろうけど、
もっともっと楽しみなよ!」
って感じだったんでしょうか。

これからも、@まつやまが
歩みは遅いながらも、
少しずつ成長していけば、
佐藤さんの凄さが、
さらに分かるようになるのかな、
と思うと、楽しくなってきます。

 

そういえば。
今月15日に、浜松で開かれた
静岡県金魚品評大会に行った時も、
佐藤さんのことを思い出してました。

お亡くなりになった日も
日本列島に台風が接近していて・・・
葬儀に駆けつけたかったけれど、
諦めざるをえなかった。

あれから1年、あっという間でした。
私も大病(というほどでもないですが)したり、
いろんな人と出会いと別れがあった。

でも、私も家族も元気で、
金魚を楽しめているのは、
佐藤さんが天国で気にかけてくれてるのかな、と
土砂降りの高速道路を運転しながら
考えたりしました。

 

今年の3月と5月には、
静岡県三島市に墓参しました。
その墓石には、らんちゅうの姿が刻まれてました。

私はここまでの金魚好きには、
なれないかもしれないけど、
凄い先人と知り合えたことは、
幸運だったと思います。

IMGP0838

 

あらためて故人のご冥福をお祈り申し上げます。

 

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