昨日(28日)は、会社で仕事しました。
夜遊びにも出ずに、夜は静かに過ごしました。
この日は、らんちゅう界で名を馳せ、
ミラクルバクテを世に出したことで知られる、
静岡県三島市の故・佐藤実さんの命日。
昨年60歳で逝去されました。
@まつやまは、佐藤さんと
ミラクルバクテを通じて知り合い、
遠くに住んでいながら、
しかも、らんちゅうを飼っていないにも関わらず・・・
短い期間ではありますが可愛がっていただきました。
そのことは昨年、
追悼エントリーでも書きました。
らんちゅう界の巨星、ミラクルバクテの佐藤実さん逝く
今でも、らんちゅうのことを、
さっぱり分かってない@まつやまですが、
佐藤さんの死後、その凄さを、
・・・佐藤さんには申し訳ないのですが・・・
生前よりも実感している気がします。
関東で、静岡で、
そして私の地元・愛媛で、
佐藤さんの系統のらんちゅう、
その血が入ってるらんちゅうと出会いました。
今年5月、静岡県の愛好家さん宅で撮影
佐藤さんの系統・・・
その言葉が口から出る時、
どの愛好家さんも、
少し誇らしげに見えました。
「佐藤実」の名は、
らんちゅうの世界では
現役バリバリなんだな、と
何度も思いました。
らんちゅうで「良い魚を生む系統」を
自身で創り出し、維持するというのは
本当に大変なことなんだそうです。
佐藤さんはらんちゅう業界で「作り手」として
高名を馳せ、自身の名義だけでなく、
系統の金魚たちが品評会で多くの賞を獲り、
そして今でも各地で賞を獲り続けています。
らんちゅうに詳しい人に聞くと、
系統を創ることは
「金魚の品種を一つ確立するのと同じ」
というぐらい、
困難で気の遠くなる作業なのだそうです。
金魚の世界では「○○系統」という言葉が
ちょっと曖昧な使われ方をすることもあるようです。
例えば、私が琉金を繁殖させるとして(笑)
飯田琉金と埼玉の琉金を掛けて、
それを「@まつやま系統」と呼んじゃう…
なんてのは本来の意味の「系統」とは、
かけ離れてますよね(;・∀・)
同じ系統同士の金魚で繁殖させれば、
親の体型や体色などの特徴を受け継ぐ仔が
一定の割合で確実に出る…
というのが、本来の「系統」なのでしょう。
その特徴は、少なくともらんちゅうを
本格的にやっている人が見れば、
例え写真越しでも、
「あの人の魚の形質が入ってる」と
ひと目で分かるレベル・・・
この辺は@まつやまには
想像がつかない世界ですが(;・∀・)
佐藤さんは本当の意味での
「良い系統」を創られたから、
らんちゅう業界で大きな存在だったのだと思います。
さらに。
品種を生み出すのと同じぐらいの
手間と年月をかけて、
一つの系統を創ったとして、
系統が出来てしまえば、
後は楽かと言えば、そうでもない。
そういう話を、
2011年夏に佐藤さんと初めてお会いした時、
聞かせていただきました。
「系統が出来た」といっても、
漫然と掛け合わせ続けたのでは、
いつか必ず「鮒に戻る圧力」に負ける。
何世代か累代すれば、
カシラや尾などの「ひと目で分かる」特徴が
薄れてしまう。
それを防ぐためには、
どうすれば良いか・・・
なんとなく皆が「タブーだと思ってること」を
タブーにしない、
金魚の常識に拘らない、
そんな話にコーフンしたのを覚えてます。
「こーいうことしたらダメって、
頭から決めつけちゃダメだよ」
そう言って悪戯小僧のように
ニヤリとされたのを今でも鮮明に思い出せます。
系統維持の話なんて、
@まつやまにとっては完全に
「豚に真珠」のレベルでしたが(笑)
それでも、
系統を守る、ということは、
系統を創る時と同じぐらい
気が遠くなるような作業と、
センスが不可欠だ・・・
と、思ったのでした。
また、そんな佐藤さんが監修したからこそ、
ミラクルバクテや
ちゃんこシリーズは、
多くの愛好家に受け入れられてるんだな、と。
2011年夏、ご自宅にて撮影
その後も会うたびに、
らんちゅう門外漢の私に、
フランクに、そしてとても深い話をしてくれた佐藤さん。
今にして思えば、
私に金魚の世界の奥深さと、
深いところでの楽しみ方を
覗き見させてくれてたんですね。
「今も楽しんでるだろうけど、
もっともっと楽しみなよ!」
って感じだったんでしょうか。
これからも、@まつやまが
歩みは遅いながらも、
少しずつ成長していけば、
佐藤さんの凄さが、
さらに分かるようになるのかな、
と思うと、楽しくなってきます。
そういえば。
今月15日に、浜松で開かれた
静岡県金魚品評大会に行った時も、
佐藤さんのことを思い出してました。
お亡くなりになった日も
日本列島に台風が接近していて・・・
葬儀に駆けつけたかったけれど、
諦めざるをえなかった。
あれから1年、あっという間でした。
私も大病(というほどでもないですが)したり、
いろんな人と出会いと別れがあった。
でも、私も家族も元気で、
金魚を楽しめているのは、
佐藤さんが天国で気にかけてくれてるのかな、と
土砂降りの高速道路を運転しながら
考えたりしました。
今年の3月と5月には、
静岡県三島市に墓参しました。
その墓石には、らんちゅうの姿が刻まれてました。
私はここまでの金魚好きには、
なれないかもしれないけど、
凄い先人と知り合えたことは、
幸運だったと思います。
あらためて故人のご冥福をお祈り申し上げます。
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