南澤らんちゅう園で宇野らんちゅうを見た! 金魚三都物語 1話

 

【1日目のつづき】

 

明石経由で姫路へ!金魚三都物語 0話の続きです。

 

 

 

姫路に到着した@まつやま家。

 

娘らのターゲットは、サファリパークなどがある、

姫路セントラルパーク」。

ただ、道中に一軒、私が寄ってみたいところがあったので、

先方にはご迷惑かと思いましたが、

家族で押しかけました。

 

訪問先は南澤らんちゅう園

「夢らんちゅう」 というサイトで、

らんちゅうを販売されてるので、

ご存じの方も多いかもしれません。

 

南澤らんちゅう園は、

姫路市南東部の東山地区にありました。

住宅街というより「集落」といった趣。

付近には古くて大きい民家もありました。

 

車庫を抜けると、そこはタタキ池。

手入れが行き届いてるのが分かります。

 IMGP7385

 

 

突然の訪問にも関わらず、

南澤さんと奥様は快く迎えてくれましたヽ(´ー`)ノ

 

 

南澤さんは今年3月に大病をされたそうで、

復帰したばかりのご様子。

しかし、いったん話し始めると

マシンガンのように熱く語ってくださり、

体調を心配した奥様が途中で遮るほど…

 

 

池の大半は当歳魚。

かわいいチビ宇野らんちゅうがいっぱい泳いでました。

 

単にカワイイだけでなく、小さいのにらんちゅうの特徴を

すでにしっかり持っている仔が多く、驚きました。

 

 

ただ・・・それ以外にも、一目見た瞬間から、

言葉にできない「何か」

タタキの中に感じてたのですが、

そこは、らんちゅうも宇野系も素人の@まつやま。

 

 

「なんだろ???? いつもなら感じない何かがある…」と思いつつ、

らんちゅうを見せてもらいました。

 

 

ちなみに娘らは、

らんちゅうよりワンちゃんに夢中でしたヽ(`Д´)ノ

 IMGP7383

 

当歳が気持ちよさそうに泳いでました。

IMGP7419

 

 

人を見るとサッと寄ってくるらんちゅうたち。

愛情を込めて育てられてるのがよく分かります。

IMGP7414

 

 

なんとなく、ですが。

私の「言葉にできない何か」ってのは、

金魚の統一感?

ん~、でも大きさは揃ってても、

柄はいろいろいるし…

 

@まつやまの感じた「何か」の

答えは文末に(笑)

IMGP7408

 

そもそも宇野らんちゅうに関して、

まったく知識がない@まつやま。

 

京都の陶芸家の宇野仁松氏(1901~1983年)が確立した系統で、

京都筋と呼ばれたり、宇野系と呼ばれたり・・・

協会系らんちゅうより小ぶりだけど頭が立派!

ぐらいしか知りませんでした(゚Д゚;)

 

 

「今は良い親がおらんから」と、

部屋に貼られたらんちゅうの写真を見ながら、

南澤さんに解説していただき、

頭の中が少しだけ整理できました。

 

 

以下、金魚初心者の私なりに理解した宇野系らんちゅう。

 

小さいことが特徴と言われる宇野系らんちゅうは、

小さく育てるのが目的ではなく、

「芸術作品」として完成度を上げるために、

全体のバランスを優先し、

「結果として小ぶり」の仔が多い、ってことかと。

 

 

発達した各パーツが調和し、きめ細かく上品な魚を追求し、

美しい更紗のらんちゅうとして4歳、5歳で華開く…

宇野仁松氏は「ずっと良くなり続ける金魚」を

目指されていた、とのこと。

 

「何年か経つと、自然とこういう(写真のような)仔になる…

 そして死ぬまで良くなり続ける。

 それが良いらんちゅうですよ」

 

 

見せていただいた写真のらんちゅうは、

兜巾(帽子のような頭に乗った肉瘤)、

ふんたん(顔の前のモコモコ)がグッと発達した、

迫力のある魚でした。

でも、決して「でっかけりゃOK」な肉瘤ではなく、

可愛らしさも兼ね備えてる…といった風情。

 

 

この「カワイイ」が宇野系の大きな特徴の一つかもです。

 

南澤さんも何度も「カワイイ」という言葉を使ってらっしゃいましたし、

会で競う仔、見て楽しむ仔、

双方ともに同じ価値を見出してらっしゃるように感じました。

 

 

協会系らんちゅうにも可愛さはありますし、

宇野系らんちゅうにも迫力はあります。

それは前提として・・・

 

大雑把な素人の理解としては、

発達した肉瘤と背ビレの無い背中、

らんちゅうのその姿に力強さを感じた人たちは

協会系らんちゅうを発達させていき、

可愛らしさを感じた人たちが、

宇野系らんちゅうを発達させていった…ってことなのでしょう。

 

 

 

若い時から宇野氏の自宅に頻繁に赴き、

25歳で自ら立ち上げた愛好会に招き、

直接接して来られたという南澤さん。

その言葉には重みがありました。

 

宇野仁松氏といえば、

私のような浅学の金魚初心者でも、

いやという程名前を見聞きする機会が多い、

らんちゅう界の巨星。

仁松氏から直接薫陶を受けた人に、

@まつやまが会って、話してる・・・というのが

なんだか不思議な気分でした(笑)

 

 

・・・なんか、ホントすみません。

私ごときが宇野系らんちゅうを語るべきじゃないのは、

重々承知しております。

書いてて脂汗が(´;ω;`)

 

 

さて。

そういう知識を教えていただいたうえで、

再度、タタキを覗きこんでみました。

親魚の池です。

 

 

IMGP7387

 

IMGP7398

 

なるほど、非常にきめ細かい鱗を持ち、

頭が発達し、鮮明な更紗ですね。

 

しかし、この上の2枚の写真、

まったくらんちゅうの体型が違うんです。

隣あった池なんですけど。

 

明らかに上の仔たちは長く、

下の写真の仔は丸い。

 

@まつやまは下の仔たちがスキですねヽ(´ー`)ノ

 

南澤さんに「どっちも宇野系ですよね?」と尋ねたところ、

宇野仁松氏は何種類もの体型のらんちゅうを

飼って維持していたとの逸話を教えてくだりつつ、

「うちでは2種類がやっと、だけどね」と南澤さん。

 

南澤さんのらんちゅうは、

宇野系の重鎮だった宇田川英雄氏(故人)の

系統を維持されておられるそうですが、

特に丸っこい仔たちは、宇野仁松氏が宇田川氏に託され、

改良してきた仔たち・・・秘蔵のらんちゅう、って感じでしょうか(゚Д゚;)

 

 

「金魚に詳しくない人が見てもカワイイと思える」と

南澤さんがおっしゃる通り、

私はこういうらんちゅうは初めて見ましたし、

素直にカワイイと思いました。

 

IMGP7462

 

 

この写真はたまたま、

丸っこい仔たちがフォーメーションを

組んでるように撮れたのですが(笑)

 

ここに、私が感じながら説明できなかった「何か」の答えがありました。

 

南澤さん曰く、宇野系では「池面(いけづら)」という

言葉を大切にするんだそうです( ゚Д゚)

 

 

1尾1尾の美しさも、もちろん大切。

同時に、池全体で受ける印象・・・池の表情、とでも言うべきでしょうか。

それもすごく大切なのだそうです。

 

池をぱっと見て、キレイだと思えるように・・・というのは、

芸術家だった宇野仁松氏ならではの教え、と言えるかもです。

 

卑近な例でいえば、

私でも琉金を入れた水槽で、

金魚の色の組み合わせとかは考えますもんね。

とても、芸術的とは言えないレベルでしか実現できてませんけど(笑)

 

でも、らんちゅうの世界でもそういう概念があるというのは、

非常に驚きでした。

 

南澤さんは池面を意識して、タタキ池の編成を考えておられるのを、

私が「なんとなく、何かある」と感じた、ってことのようです。

 

 

 

それにしても・・・

 

会で賞を競う金魚を創るという「競争」と、

永く金魚を「見て楽しむ」という思想を、

同時に実現しようとした仁松翁は、

もしかしたら、すごく欲張りな人だったのかもしれないな、と

勝手に思ったりしました(゚Д゚;)

 

 

さてさて。

南澤さんは、若い時から会を立ち上げつつ、

そこを離れ、今は3つ目の会で活動されてるとのこと。

参考:宇田川らんちゅう・らん丸の池(姫路宇田川会)

プロレス・格闘技の世界でいえば、

佐山サトルのような風雲児、なのでしょうか(笑)

 

でも、短い間でしたが、お話させていただいてて、

らんちゅうに対する強い情熱を感じましたし、

奥様ともども、うちの子どもをすごく可愛がってくださいました。

IMGP7417

 

そして、私のようなド素人に、

丁寧にいろいろ教えていただき、

本当にありがとうございました。

 

宇野仁松・宇田川英雄、両氏の

素晴らしい魚と、思想を後世に伝えていってほしい、と

門外漢ながら強く思いました。

 

また機会があればおじゃましますヽ(´ー`)ノ

お体、ご無理なさりませんよう。

 

 

 

・・・南澤らんちゅう園を辞した後は、

嫁と娘を姫路セントラルパークに送り、

私は車で単独行動。

夕方に待ち合わせすることにして、

姫路の街をウロウロ・・・

 

もちろん、目当ては金魚ですw

 

 

【励みになります!クリックお願いします】
にほんブログ村 観賞魚ブログ 金魚へ
にほんブログ村

2012年11月8日訂正:

大阪らんちゅうが好きの背番号17番さんからの指摘で、

宇野仁松氏の生年を1901年に訂正しました。

ご指摘に感謝しますとともに、

故人の生年を誤記いたしましたことにお詫び申し上げます。

明石経由で姫路へ!金魚三都物語 0話

 

9月15~17日の3連休を利用して、

関西に行ってきました。

今回の主目的は、大学時代の親友の結婚式。

 

嫁や娘も関西に行きたがってたので、

車で出掛けることにしました。

娘たちの目的はキッザニア甲子園

いろんな職業を楽しみながら知ることのできる施設。

娘らは「念願のキッザニア~ヽ(´ー`)ノ」と喜んでました。

 

最終日は母も合流することになって、

@まつやま家、総動員での関西旅行。

 

 

 

さて、そんな「金魚以外」が目的の旅で、

かつ、家族に包囲された状況で、

金魚濃度をどれだけ上げられるか!

@まつやまの頑張りに期待してくだい(笑)

 

 

「金魚三都物語」連載スタートです。

 

※三都物語は本来、京都、大阪、神戸への旅行キャンペーン。

 今回は神戸市内の金魚店には行ってないのですが、

 兵庫県内のお店には行きましたので・・・

 「なんちゃって三都」ですw

 

 

【1日目】

 

午前3時起床。

爆睡中の嫁や娘を叩き起こし、

松山市の自宅を出発しました。

 

2歳になったばかりの長男には

寝てて欲しかったのですが、

勝手に目覚めて車内で30分ほど大騒ぎでした(笑)

「しゅぱ~つ!」

 

愛媛県香川県は順調。

夜明け直前、「津田の松原SA」で小休止。

右奥が小豆島かな?

IMGP7361

 

 

どんどん車は東へ向かいます。

鳴門大橋、淡路島、明石大橋を抜けて、

明石市へ到着。

 

ここで朝食を摂ることにしました。

 

明石の商店街は「魚の棚」と言いまして、

タコや鯛で有名な明石らしく、

海の幸を商うお店が軒を連ねています。

 

が!

朝8時過ぎだと、店はほとんど開いてない(笑)

 

IMGP7369

 

明石焼きが食べたかったのに・・・

 

私は本当にたこ焼きが大好きでして。

毎日でも食べたいぐらい。

いわゆるソースで食べるたこ焼きと並んで、

だし汁でいただく、明石焼きも大好物ヽ(´ー`)ノ

 

 

 

ラッキーにも魚の棚の東側入口そばに、

既に営業中の喫茶店があり、

「明石焼き」の張り紙を発見!

家族で食べてみることにしました。

IMGP7373

 

 

娘らも感動しながら食ったのですが、

これがウマイ!

表面がさくっ!中は熱々のとろとろ~ヽ(´ー`)ノ

上品なおだしが美味しい。

 

 

明石焼き(現地では単に「卵焼き」とも言う)の

専門店でもないのに・・・

 

奥様にお話を伺ってみると、

阪神大震災をきっかけに、お店のメニューに

明石焼きが加わったんだそうです。

 

 

震災時、食器の大半が壊れる中、

棚から落ちてきたのが新品の「明石焼き用鉄板」。

マスターの先代が飲食店をやられた時、

購入したまま使わなかったものらしいです。

 

鉄板の存在を初めて知ったマスターが、

「これは何かの縁だ」と思い、

明石焼きに取り組むことになり、

試行錯誤のすえ、焼き方を身につけ、

お店で出すことにした――のだそうです。

 

 

 

多くのものが失われた震災で、

こうやって新しいものが生まれることもあるんだな・・・

 

なんてことを考えながら、箸を休めず全員食べきりました(笑)

喫茶・軽食「ヨシダ」。

また行きたいですヽ(´ー`)ノ

 

 

さて、魚の棚で少し買い物をした後は、

再び高速道路に乗って姫路市へ。

 

途中眠くなったので、嫁に運転を代わってもらい、

「着いたよ~」の声で起きました。

 

そこは・・・

IMGP7466

 

続きます。

 

 

 

 

【励みになります!クリックお願いします】
にほんブログ村 観賞魚ブログ 金魚へ
にほんブログ村