不定期に「初心者の主張」を綴ります(゚Д゚;)
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あるブログを読んでて、
自分の無知に打ちひしがれたのですが…
FTAとかEPAとかTPPとか、
ニュースで聞く言葉ですよね。
私はなんとなく「貿易の協定だよね」ぐらいの認識でした。
しかし、それが金魚と深く関係してたんですね…
※FTA=自由貿易協定。2国間以上で結ぶ。関税に関する協定で自由貿易地域を作るのが目的。
※EPA=経済連携協定。2国間以上で結ぶ。関税や人の行き来、知的財産など包括的な経済連携を行うのが目的
※TPP=環太平洋パートナーシップ協定。米、豪など8ヶ国が参加表明している多国間協定。物流は関税撤廃が原則。
「アジアや新興国の経済が成長してるから、
関税を撤廃してモノの動きを良くしよう」
ってことで、日本は韓国などとFTA/EPA先の数や
相手を競ってる感じだったみたいですね。
私のアホな頭ではそういう理解ですヽ(´ー`)ノ
日本は2002年発効のシンガポールとのEPA締結に皮切りに、
以下の国とEPAを結んでる。
シンガポール
メキシコ
マレーシア
チリ
タイ
インドネシア
ブルネイ
ASEAN(ラオス、ミャンマー等7ヶ国参加)
フィリピン
スイス
ベトナム
で、問題になったのは
最初のシンガポール(小泉首相当時)。
2国間の貿易において、
大半のモノの関税を撤廃することで合意したんですね。
ところが数品目の例外の中に金魚があった。
日本がシンガポールと最初にEPAを結んだのは、
シンガポールが農産国ではなく、
貿易国だから農産物の輸入に関して、
国内調整のハードルが低かったから…というのが通説のようです。
ところが。
シンガポールは金魚や観賞魚が
盛んな国の一つのようですね。
養魚場やらんちゅうの品評会の記事などを
雑誌で見たことありますし、日本に輸出もしてる。
数少ない競合品だったってことなんでしょう。
で、日本の金魚養魚家保護の観点から、
金魚は関税が残ったわけです。
※金魚の関税は基本5%。シンガポールはWTO加盟国なので3.5%だった。
5年後、シンガポール側からの要望で
協定が改訂されます(福田首相当時)。
その時、金魚も段階的に関税を撤廃されることになったんですね(゚Д゚;)
この事はあまり大きく報道された形跡もありませんし、
国内金魚業界も大きくアクションしてないようですね…
ネットを見る限りですが。
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ただ、締結~改訂の間、自由経済支持派のブログ等で
「金魚を守るのか」的な皮肉っぽい表現で取り上げられてます。
金魚が数少なく残された例外だったために、
「また農水族が暗躍」的な構図で書かれたりしてたようですね。
結局、このシンガポールとの協定改定が
「最後の関所」だったようです。
その後、日本が結んだEPAでは、
金魚の関税はすべて段階的に撤廃されることになってます。
農水省の古い資料ですが、
2007年に日本が輸入した金魚の「件数」は計1,222件。
もちろん1位は中国(393件)ですが…
2位シンガポール(331件)と
3位のマレーシア(222件)は来年(2012年4月)、
関税がついにゼロになります。
4位のタイ(210件)は既に2005年のEPA協定発効時に、
金魚の関税はゼロになっています。
あくまで2007年の数字ですが、
この3ヶ国で金魚輸入件数の60%を超えます(゚Д゚;)
つまり中国を除き、
金魚は事実上「開国」されるんですね。
菅首相に対する批判と混ざり合って、
TPP加盟は今、槍玉に上がってるし、
ネットでも賛否がわりと盛んに表明されてます。
ですが、その影で実は金魚は、
産地を脅かしかねない状態になりつつある…のかもしれません。
関税による輸入調整よりも、
品質や価格で国内業界が努力すべきだ―
自由貿易を巡る議論では必ずこういう話が出ます。
もちろん、私もそれを否定はしません。
ただ、保護主義が行き過ぎるのは問題としても、
「保護すべきもの」はあるんじゃないかと。
すべての分野が淘汰の論理にさらされる世の中が
正しいとも思えないです。
ましてや、日本の金魚は文化であり
芸術なのだから…