TPPの交渉結果が大筋妥結後にジワジワと発表されてますね。
金魚はどうだろうと思い、農水省のTPPに関する資料を見てみたところ、
水産物の品目別の交渉結果概要(担当:水産庁)(PDF:186KB)
の4ページ目に見つけました。
観賞用のこい、金魚 即時無税(3.5%→0%)
え~!これはエライこっちゃ!
金魚は関税がゼロになる!
国内の金魚産地に大打撃が!ヽ(`Д´)ノ
・・・と一瞬思ったものの、TPPの参加国は12カ国。
(シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、ベトナム、ペルー、オーストラリア、アメリカ、マレーシア、カナダ、メキシコ)
この中で金魚を生産し、日本に輸出してる国って、
シンガポールとマレーシアぐらい。
ベトナムも聞いたことがあるけど・・・(・ω・ )?
ってなわけで、錦蘭会のレポートの続きを書かなきゃいけないのに
ついつい貿易統計をネットで見て回ったり( ; ゚Д゚)
財務省貿易統計(検索ページ) で調査。
金魚(およびコイ)の輸入額をグラフにしてみました。
検索の結果、2010年以前の数字はナシ。
直近4年間の数字です。(単位は1000円)
ベトナムからの輸入金魚は数字に出てないデスね。
やはりぶっちぎりで中国が多い。
ただ、シンガポールとマレーシアが着々と日本への輸出を伸ばしてるのが分かります。
さて、話をに戻しますが、
現在の関税率を調べてみたところ・・・
(輸入統計品目表(実行関税率表)実行関税率表)
TPP参加国のシンガポールとマレーシア、
そして真っ黒らんちゅうの故郷タイ、
この数年で頭角を現してきたインドネシア、
これらの国は既に関税率ゼロなんです(ToT)
以前にも書きましたが(開国される金魚 )、
個別の2国間で結ばれるEPA(経済連携協定)によって、
関税が撤廃されてる国も多くなってきてるんですねぇ。
なので。
TPPを批准しても金魚の輸入において、
関税の面では現状から大きな変化はなさそう。
ただ、だから安心(≧∇≦)/ とはならない気もします。
注目すべきはシンガポールとマレーシアの数字。
この2カ国が日本への金魚輸出をグッと増やしているのは、
2012年からです。
EPAによって、段階的に関税が引き下げられ、
2カ国からの輸入に対する関税が完全に撤廃されたのがこの年。
中国(関税率3.5%)が伸び悩んでるのと対照的ですよね。
(ちなみに2015年4~8月の数字も「伸びてる」感じは薄らいでます)
金魚はTPPより一足早く関税をゼロにした効果が少しずつ効いてきてて、
関税をかけられたままの中国は、すぐには影響が出ないものの、
じわりじわりと他国の侵攻を許しつつある・・・というのが現状かと。
そうであれば、いずれは国内の生産、金魚産地への影響も
心配せねばならないのでは?
そう考えると関税がなくなる影響ってやはりデカイですね。
産業としては少量多品種型の金魚ですらインパクトがあるんですから、
大量生産が可能な農産品にとっては凄まじい影響になりそうです。
では最後に輸入金魚(およびコイ)の輸入額(単位1000円)の推移を掲載し、
国産金魚にエールを送りつつ、このエントリーを終えます。
あ、ちなみにワタシは以前、中国産の琉金も飼ってましたし、
輸入金魚を否定するものではありません。
チャイナ系の琉金も特有の良さがありますしね(≧∇≦)/
▼クリックをお願いします▼
にほんブログ村