社団法人 日本らんちう協会 阪下理事長に訊く!

@まつやまがらんちゅうを本格的(?)に飼い始めてまもなく1年。
(それまでにもベビーバスらんちゅうと呼ばれる仔たちを飼ったことはありましたが)
針仔をもらったところから、流されて流されて(笑)
地元の愛好会、媛らん会に加入するに至りました。

「まつやま、なんだかんだで、らんちゅう好きなんだろ?」
「品評会に出したりして、イッパシの愛好家気取りじゃね?」

そう思われてる方も多いかもしれません(;・∀・)
否定するのも面倒なので、そう思われる方はそれでOKw

ですが、主観的には「なんでこんなことに?」というのが正直なところ。

一番好きな魚種は琉金、というのは変わりませんし、
いろんな魚種の金魚を飼いたいという欲望は変わらずありますし。
ずーっと非正規会員(周辺者)として媛らん会さんとはお付き合いしてきたんですが、
昨年の流れには抗し切れませんでした。

【おさらい!@まつやまがらんちゅう愛好会に入るまで!】

(1)友人に「タマゴが採れたら、まつやまさんも飼えば?」と言われ生返事でOKした。
(2)採れると思ってなかったのに、ホントに採れた。
(3)琉金も繁殖させたので稚魚の世話はそれなりに頑張った。
(4)頑張ったけど鱗がダメダメで全部ハネ扱い(子どもの学校に寄付)。
(5)「残念だったね。代わりにこの仔をどうぞ」と媛らん会の会長さんから分譲される。
  さらに関東からもらんちゅうが送られてきた。
(6)分譲していただいた以上、研究会ぐらいは参加してみるか、と出してみる。
(7)研究会でさらに会長さんから分譲される。
(8)ベランダがらんちゅうだらけになり、拒否感が強かった家族も渋々存在を認める。
(9)徳島遠征に参加することになり、結局正会員になる。
(10)社団法人 日本らんちう協会全国大会にも行く。

 

・・・とまぁ、こんな感じだったんです(´;ω;`)

一度も「俺、らんちゅう頑張るぜ!」と思ってなかったデスねぇ・・・
もちろん「良魚をいただいた以上は頑張る!」というのはありました。
せっかく分譲してもらったのだから、なんとかカタチにしたい、というか。

でも、実感としてはあれよあれよという間に、らんちゅう飼育に忙殺されることになり、
気がついたら全国大会に出展するという暴挙に至る・・・って感じデス(;・∀・)

さて、前置きが長くなりましたが、
@まつやまにとって日らん全国大会出品と並んで、
我ながら暴挙だと思ったのは、
 一般社団法人 日本らんちう協会阪下庄司理事長(肩書きは取材時)
お宅まで話を聞きに行っちゃったこと。
関西に金魚を見に行くんだし、徳島でお話させていただいたし、
ということでダメモトでお願いしてみたところ、
快くOKしていただきました。

日らん全国大会を約2週間後に控えた2014年10月、
堺市のお宅にお邪魔しました。
残念ながら雨だったのと、@まつやまの時間の問題で飼育場は見学できませんでしたが、
じっくりお話をうかがいました。IMGP1243

 

らんちう協会のトップインタビュー!
ならば最低でも前編・後編の2回は書かなきゃな!
と思ってたのですが(笑)
メモを読み返してみても書けることが少ないんデスよwww

阪下さんはかなりストレートにいろんな事を話していただき、
@まつやまはホントに楽しい時間を過ごしたのですが、
あまりにストレートすぎて・・・
私がこういうブログで書いちゃってニュアンスが違って伝わったらマズイことだらけ。

 

例えば飼育技術の話。

この時期(10月下旬)にはらんちゅうの○○が太くなる。
理由は・・・みたいな話をいっぱいしていただいたんですね。

またタマゴを孵化させる時には●●は複数使うのが良い。
理由は・・・細胞が・・・とか(;・∀・)

らんちゅうの世界では常識とされていることなのかもしれませんが、
@まつやまは初耳の事ばかりで「へー!」とか「ほー!」しか言葉が出ません(笑)

こういうのって、やはり長年の知識の蓄積ですから、
ワタシなんぞが軽々に開陳しちゃ、マズイいんじゃないかと。

興味のある方はゼヒ、阪下さんに尋ねてみてください。
「こういう話ならいつでもさせてもらいますよ」とご本人もおっしゃってましたし。

 

改めて阪下さんと話してみて思ったのは、
飼育理論がとても科学的なんですね。
関西のらんちゅう好きのオッチャンという
イメージとは程遠いwww
(徳島遠征でのファーストインプレッションはこちら

過去、水産大学のセンセイに疑問をバンバンぶつけたり、
自分でもいろいろと試行錯誤されて、
らんちゅう飼育を学ばれたそうです。

ミラクルバクテの活用法のひとつに「簡単濾過槽」という、
底の浅い舟でも使える、簡易ろ過システムがあるのですが、
それを考案したのも実は阪下さん∑(`・д・´ノ)ノ

 

飼育歴は40年超。
当初は師匠・Nさんに付いて学んだそうですが、
当時のことですから手取り足取り教えてもらうわけではなく、
見て、技術を盗むことから、らんちゅう飼育が始まったそうです。
Nさんは「指折りの、魚がちゃんと見れる(判断できる)人」だっただけに厳しく、
なかなか錦蘭会(大阪)でのデビューのお許しが出なかったそうです。
「当時、錦蘭会は会員(後見人)の紹介が無いと入れなかった」といいますから、
今と違い、品評会に出品するまででも相当な苦労があったんですね・・・

例えば、らんちゅうが欲しくて愛好家のお宅を訪ねることがあっても、
「あの頃は『これ、おいくら?』とは訊けなかった」そうです。
値段を尋ねてしまうと、例えば10万円の魚でも20万円と言われてしまうかもしれない。
(また、それを断れる空気でもないそうですwww)
逆に「これ持っていけ」と言われたら、今度は買う側の言い値でOKなんだそうですが、
とんでもなく安い(or 高い)金額を支払うと、次からまともに相手してくれなくなる。

かつては良魚を手に入れるのも勝負があったんですね・・・(;・∀・)
見る眼を養うのには良かったのでしょうが、
@まつやまなんかはビビッて早々に退散しそうです(笑)

 

さて、そんな阪下さんに「今から、らんちゅうを始めたい人にアドバイスを一言」
お願いしてみました。

以下、その答え。

IMGP1215

 

 

魚が調子崩したとき、塩入れますね、塩。
なぜ入れるのか?
これから、らんちゅうをやってみたい、
誰かに付いて学びたいと思うなら、
それが明確に答えられる人に教わるようにしてほしいんですわ。

塩いうたら塩化ナトリウム・・・NaClですわな
それのどういう作用がどう効くのか。
殺菌作用がありますか?
虫(寄生虫)を殺せますか?
塩はそんなもんちゃいますよね。

月にはウサギが住んでて、みたいな時代とちゃいますから。
いつまでも迷信に頼ってたらアカンと思います。

昔の教えをそのままなんとなく聞き覚えて、
「塩入れとけばエエんや」みたいな感じの人も居られると思いますよ。
でも、これから新しい人を育てるには、
そこに明確な根拠を持っててもらわんと。

 塩を入れる理由分かります?

(@まつやま「浸透圧の・・・養生として・・・(恐る恐る)」)

そうです!
それが明快に分かってへんとダメです。
こういう状況だから塩を使う、
ああいう症状だからこの薬を使う、というのは、
ちゃんと分かって使い分けんとアカンと思います。

魚の状態を見て、どう対処するか、なぜそうするかを説明できる人から
らんちゅうを教わるようにしてください。

(以上)

 

・・・このように(笑)
阪下さんは理路整然かつマシンガンのように話してくださいました。
いやもう、聞いてて楽しいし勉強になりまくりwwww

 

次はハードな話題。

阪下さんといえば、現在の日本のらんちゅう界にも大きな影響を与えた方でもあります。

私が説明するまでもありませんが、
日本らんちう協会は現在、2つの団体があり、
下部組織に至るまで「割れている」のが現状です。
日らん分裂の最初の動きが、大阪・錦蘭会の分裂だったわけですが、
阪下さんはその錦蘭会が分かれることになった事態を
間近で見てきておられてますし、「当事者のひとり」と言っても良いと思います。

その辺りの話も聞きました。
ですが結論として阪下さんは「私たちはもう何も言わない」とのことですので
ここではそれには触れません。
(私ごときが書くような話ではない、というのも重々承知しております)
別々に歩むことになった以上、お互いに干渉せずに
それぞれでらんちゅうを楽しめばいい、という考えのようです。

また社団法人 日本らんちう協会は設立して約4年経過し、
運営が随分変わってきている部分もあるそうです。

以前は東部、中部、西日本の各3本部で会計が別々で、
持ち回りで全国大会を運営する際にも、当番本部の負担が重く、
人数が少ない本部は大変、という側面もあったとのこと。

しかし現在は3本部の統合を進めており、
会員が支払う会費もいったんは協会が管理したり、
一括して納税したり、税理士さんと契約したり、
社団法人として「協会」が主軸の体制になってきているそうです。
将来は利益を出す事業展開も可能とのこと。

わずか数年でも、別々の道を歩むということは、
かなりの違いになるんでしょうね・・・(;・∀・)

@まつやま、協会の再統合の可能性について質問をぶつけてみましたが、
阪下さんは「現状、歩み寄りは難しい」との見方を示す一方、
「次の世代の人たちに期待したい」と話されていました。

 

 

11月3日、大阪で開かれる全国大会での再会を約束し、
(審査の様子を近くで撮影する許可も申請しちゃいました)
@まつやまは堺市を後にしたのでした。

 

一言だけ感想。

@まつやまはいつまで、どこまでらんちゅうをやるのかは正直分かりません(;・∀・)
なので阪下さんが言う「らんちゅう界の次世代」に含まれるとは思えない・・・
ですが、縁があった者、「周辺者」のひとりとして、
将来、何からんちゅう界のお役に立てればいいなぁ、と漠然と思いました。

 

※2015年3月10日、ご自宅の住所を堺市に訂正しました。

 

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ずんどこ愛好家誕生!らんちゅうデビュー戦回顧 其の四

@まつやまが住む松山市も寒さがぶり返してきました。
私はちょいと風邪が抜きらないデスが(ToT)
皆さまいかがお過ごしでしょうか?

スッゴイ二歳!らんちゅうデビュー戦回顧 其の参の続きです。

 

喫煙スペースでの出会いを前回書きましたが、
ほかにも思わぬ出会いがありました∑(`・д・´ノ)ノ

腰を抑えながらタバコに火を付けて休憩していると、
賑やかな一団が喫煙スペースに来ました。
大阪からの遠征組らしく、
一見、ちょっと怖そうな集団。
(ボスは迫力あるし、細身のKさんは黒基調の服でダンディだし、
 Hさんはでっかいし、Nさんはクレイジー・ケン・バンドみたいだし)

関西弁って、こういう時、ついつい耳に入って来るというか、
会話の内容を聞いちゃいますね(笑)

@まつやま、コワゴワながら、
なんとなく会話に加わったところ、
面白い話がバンバン出てくるwwww
らんちゅうを飼い始めたころの話とか、
全盛期の錦蘭会がいかに凄かったかって話とか。

 

で、後から分かってビックリしたのですが∑(`・д・´ノ)ノ、
その一団の中心に居たのが一般社団法人 日本らんちう協会
阪下庄司理事長さん。

IMGP9013
写真中央が阪下理事長

 

 

媛らん会アズー事務局長
「なんであんな(エライ)人たちとフツーに喋ってんスか?」と呆れてましたが、
@まつやまは最初、「関西から来た面白いオッチャンら」としか
思ってなかったデスからねぇ(;・∀・)

 

@まつやまの勝手なイメージだと、
らんちう協会のエライ人と言うと、
「本部」的なところにデーンと座ってて、全国大会とか大きい品評会だけに出てくる・・・
って感じかと思ってました(スミマセン・・・)

この時初めて知ったのですが、
全国組織(社団法人)の理事長は
3つある本部のトップ(本部長)のいずれかがなるそうですが、
例えば西日本の本部長は、自分の会だけ参加するってわけではなく、
本部傘下の各会の品評会に出掛けたり、審査したりもするそうです。
秋は会が多いから大変そう・・・(;・∀・)

なので今回、阪下理事長は徳島の阿波錦魚連合会に西日本本部の役員さんらと
遠征してきてたんですね。

 

初対面に関わらず・・・というか、コチラはらんちゅう1年生のペーペー。
アチラはらんちゅう組織のトップ( ; ゚Д゚)
フツーにワイワイ話させていただいただけでもスゴイ経験だと思うのですが・・・

@まつやまが3年前の日らん全国大会(大阪)に見学に行き、
その時、佐藤実さん(故人)にいろいろお世話いただいた、
という話をしたところ、
「え? 佐藤さんのこと知ってんの?」と阪下さんが驚かれて。

佐藤さんについての過去記事はこちら。
らんちゅう師・佐藤実さん一周忌に寄せて
らんちゅう界の巨星、ミラクルバクテの佐藤実さん逝く

阪下理事長と佐藤さんは、昔からの知り合いで、
「きょうだい、みたいな付き合いだった」とのこと。

そこで佐藤さんと、佐藤さんの系統のらんちゅうの話で大盛り上がり(∩´∀`)∩
折りしも、この日(9月28日)は佐藤さんが亡くなった日、三回忌にあたります。

佐藤さん、@まつやまがらんちゅうの世界を楽しめるように、
天国からアレコレ手を回してくれてるんじゃないか、と思えるような出会いでした。

 

さて阿波錦魚連合会の品評会、親魚部門のご紹介です。

 

 

私なんぞが書くべきことではないとは思いますが、
親魚部門ともなると、私でも分かる「欠点」を持っている仔でも
洗面器に入っていたり(=入賞)します。
「よくここまで育てた!」という意味合いもあるでしょうし、
一方では、親になると加点主義的というか、
細かい欠点云々よりも、より迫力があって「親らしい」魚が良いとされてる、
ってことかと。
その中でもトップグループはさすが!と思う仔ぞろいでした~(∩´∀`)∩

 

東大関

 

フンタンとかモッコモコ(;・∀・)
ボディもぶっとい!
でも、白勝ちだからなのか、全体の印象は「カワイイ」って感じで、上品でした。

IMGP9748

 

 

西大関

 

尾が大きくてしっかり!というのが印象的でした。
自分が少しらんちゅうを齧ってみると、3歳過ぎてもしっかりした尾を維持するのは、
かなり大変!ってことぐらいは理解できます(∩´∀`)∩

IMGP9758

 

 

立行司

 

思わず「ま~、キレイ!」と口走ってしまった仔です。
赤い部分が真紅じゃない分、全体的に淡いイメージですが、
カシラもボディも尾も大きくて見ごたえがありました。

IMGP9787

 

東取締

 

親魚というと、ゆったり泳ぐものと思ってましたが、
この仔は元気!泳ぎまくりでした(笑)
キレイな白勝ちですね~

IMGP9879

 

 

西取締

 

ゴッツイ!って印象でした。
長めのボディがぶっとくて、カシラもドカーン!と発達。
何か色揚げをされてるんでしょうか? 赤がビューティホーですv( ̄Д ̄)v

IMGP9813

 

 

東関脇

 

撮影してて一番楽しかった仔。
写真下手な@まつやまがこう書くのも照れくさいのですが、
品評会を通じて一番「絵力」があったと思います。
赤がキレイだし、模様も派手ですし、泳ぎ回っていろんな角度で見せてくれました(∩´∀`)∩

IMGP9890

 

西関脇

 

媛らん会の秋の品評会、当歳部門で1位を獲られた山口さんの持ち魚。
なんでしょう、このフンタンwwww
16オンスのグローブを連想しちゃいます(;・∀・)

IMGP9831

 

東小結

ついついアップで撮影しちゃいました。
モコモコの肉瘤が、花のように開いてみえたんです∑(`・д・´ノ)ノ
紅白というより、黄金色の更紗。なんともキレイです。

IMGP9914

 

西小結

 

ま~、長い!
思わず日本オランダを連想しちゃいました。
長手とはよく言いますが、こんなに長い仔もいるんですねぇ~(;・∀・)
背中の赤がキレイでした!

IMGP9841

 

らんちゅうの紹介は以上です。

この後は夕方まで入賞魚を見つつ、
アレコレ話したり、再び喫煙スペースで雑談したり。
そして表彰式。

各部門の大関には「金のらんちゅう」像が贈られてました。

IMGP9122

 

黄金らんちゅうトロフィーはこんなの。
う~ん、欲しいかもwww

DSCN0635

 

後片付け。
各地から集まったらんちゅう愛好家たちですが、
撤収作業が手早いのは共通の特徴なんでしょうか?
スゴイ勢いで魚がパックされましたwww

IMGP9099

 

実はこの日、帰りの車の中で「媛らん会」の会長さんに入会の意思を伝え、
@まつやまは正式にメンバーとなりました。
(それまでは頻繁にお邪魔してましたが、会員ではなかった)
こうやって他の会にお邪魔するときに「媛らん会の方(ほう)から来ました」みたいなのは、
失礼にあたるなぁ、と実感しましたし。

それに、らんちゅうの品評会デビュー戦が、
私が数少なく存じ上げてた「らんちゅう師」の佐藤さんの命日で、
さらに佐藤さんをよく知る人と、そこで出会ったというのも、偶然にしてはデキすぎじゃないかと。

いまだに琉金が一番好きなのは変わりませんし、
「今後はらんちゅう中心の金魚飼育にします」とは言いたくないし、
他の魚種もやはり飼いたい。

でも、@まつやまが金魚を楽しめているのは、
今まで出会った人たちのおかげ、と考えると、
流されてみるのもアリかな、と(笑)
やる限りは一生懸命やりますし!

「金魚ビギナー」であると同時に、
「ズンドコらんちゅう愛好家」でもある@まつやまを今後もよろしくお願いします。

 

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