ハネるということ

不定期に「初心者の主張」を綴ります(゚Д゚;)

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「死んだ金魚をトイレに流すな」

というタイトルの本があります。

命の大切さを訴える良書…のようですが、

私は読んでません。

その表題の意味するところは

「生き物をモノ扱いするな」という

ことだと思います。

矢ガモ事件を嚆矢とした、馬鹿げた
動物虐待事件が時折、メディアで
報じられますが、無益な殺生に
対しては怒りを感じますし、
金魚が死んだらモノ扱い―
というのは寂しい話です。

以下は、その本を批判したり
揶揄したりするものではないことを
あらかじめお断りしておきます。

金魚の仔引き(ブリーディング、繁殖)は
「ハネ」という行為を伴います。

奇形や規格から大きく外れた金魚を
選別するってことですね。

有り体に言えば、殺すわけです。

私はまだ経験がありません。

稚魚を全滅させたことがあるだけで。

ハネる際、稚魚が小さいうちは
他の大きい金魚に食べさせるという
方法もあるようですが、
「死んだ金魚」どころか、

「生きた金魚をトイレに流す」

ってこともあるようです。

せっかく生まれた生命。
ほんの少しの体のどこかに問題がある、
人間の目から見て美しくないというだけで、、
生命を奪ってしまうという行為に
嫌悪感を抱く人もいると思います。

「残酷だ」と。

私も最初、「ハネる」ことについて
聞いたときは「残酷だな」と思いました。

でも一方で、すごく大切な事を聞いた、
という気分になりました。

見事な金魚を見て、溜息を漏らした
経験がある人であれば、
もともとフナだった魚が、
どうしてこんなに見事になるのだろう、
って疑問を抱いたことがあるのでは
ないでしょうか?

その疑問に対する答えの一つが、
「ハネる」ということ。

フナに近かった金魚の原型を
人間はどんどん改良していった。
その「改良」を具体的に言えば、
「意図的な淘汰」=ハネ、
ということになるんだろうと思います。

極端に言えば、我々が目にする金魚は
どの仔もエリートなんですよね。

品評会に出るような金魚は、
スーパーエリートってことでしょう。

多くの生命を奪って、金魚を作る。
その事は道徳的だとは言えないかも
知れません。

食べるならいざ知らず、
美しい魚を観賞するためにだけに生命を
犠牲にしてるわけでから…

でも。
だからこそ。

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美しいと思えるだけの魚ができる。

「殺す」という行為を伴なう「美」の追求。
それはある種、不健全な、
どす黒い執念のようなものかも
知れません。

金魚をつくる人たち、
金魚が飼う人たち、
金魚を好きな人たち、
金魚を見て美しいと思った人たちは
原罪を超えた罪を背負ってる、
という見方もできます。

何百年と人間が犯した罪。

その大罪を背負っているからこそ、
人は金魚に惹きつけられてしまう。

その罪を許されたような気分になるほど、
金魚は人を癒してくれる。

でも、虐殺から生まれた美という
現実から目を逸らさずに、
むしろしっかり見据え、
目の前の金魚をいとおしむ、
残された金魚たちを殺さないよう励む…

そんな金魚飼育者になりたいと
今は思います。

科学?感性?経験?

不定期に「初心者の主張」を綴ります(゚Д゚;)

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昨日、水換え後、金魚がpHショックになりました。

水の酸性~アルカリ性が極端に変ると

金魚がショック状態を起こすというヤツですね。

場合によっては死ぬこともあるそうです。

私の場合、今回は水合わせが不十分
だったようです。
幸い金魚はすぐに元気に戻りましたが…

水槽のpHを何度も測ってると、
科学の実験をやってる気分になります。

原因を考える時も、アルカリ性寄りの要因とか、
水槽の中の原因物質を考えたりします。

「金魚を科学する」みたいな感じですか(笑)

ここに初心者にとっての陥穽があります。
いわゆる「頭でっかち」(笑)
未だに陥りがちですが…

金魚って科学なのか、経験値なのか、感性なのか…

答えのない問いですし、敢えて解答を探すならば
(私のような初心者が言うのもなんなんですが)
「全部のバランス」だってことになると思うんですね。

金魚関係のwebサイトを見てると、
すばらしく理論的・科学的に水槽を運用してる例が、
いっぱい出てきます。

でも逆に、ベテランの金魚飼いの中には
「亜硝酸?なにそれ(笑)」
みたいな方もおられます。

過密飼育や貧弱な設備もなんのその
「金魚をちゃんと見れば、どんな環境でも飼える」
なんて達人もおられるようです。

私だけではないと思いますが、初心者は
最初どれかに偏ってしまいます(笑)

私は科学には疎い癖に、
理論的な飼育に憧れたりしてました。
(今も憧れはありますけどw)

その後はネットで知り合った人たちの
知識に触れ、触発されて、
先輩の言うことは全部真似したい!
って方向に振れました(笑)

以下、自省を込めてですが。

pHだのバクテリアだの亜硝酸だのって、
少々面倒でも、理屈は最低限知って
おいた方が良いんだと思います。

病気治療などの時にも役立ちます。
白点病の病原虫の生態を教えてもらって、
治療のイメージが描きやすくなった、
なんてこともありましたし。

でも一方では、
化学や生物の授業みたいなこと「だけ」では
たぶん金魚は正しく飼えないんです。

金魚にとって良いことだけやってれば、
素晴らしい飼育になるかというと、
どうもそうではないみたいですから。

「丈夫な金魚を育てる」って事は、
敢えて少々環境が悪くても、大丈夫なように
金魚を鍛えるって意味合いも含まれます。

ベテランの病気に対する落ち着き具合も、
症状をきちんと観察する力があるからこそ、
なんだろうと思いますし。

私は幸いにも先輩から「頭でっかちになるなよ」と
注意をしていただけました。

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水のこと、金魚の生態のこと、病気のこと。
科学的な知識は持ってて邪魔にはならない。

自分でどんどん経験すること、
先輩の経験を伝えてもらうこと。
慣れる、ってことも含めて、とても大事です。

金魚を観察する目。
変化を見逃さず、異変を察知する能力。
これなしにはたぶん、どんな知識も無駄。

知識と感性と経験…バランスよく向上させ、
金魚にとって良い飼い主に早くなりたいものです!