福島・関東金魚旅(3)会津じょっこ!&福娘だ~!

IMGP8793

 

 

では、皆さんご唱和ください!

1、2、3!

じょっこ~っ!!

 

 

 

どうも!

前回と同じオープニングで始まりました、

福島金魚旅のレポート。

 

【1日目のつづき】・・・というか、

荒井さんのお宅レポートの中編です。

福島・関東金魚旅(2)会津錦に逢ったゾ~ヽ(´ー`)ノのつづきデス。

 

 

サバ尾体型で桜体色の「会津錦」

固定したところで、

荒井さんは、次の新品種を考えたそうです。

 

会津錦は玉サバ系だったので、

横見がビューティーな魚種。

 

次は上見で美しい金魚を創ってみたい、ってことで、

開き尾(三尾・四尾)で

和金に近い中寸体型の魚種を目指して開発開始。

 

 

そもそも荒井さんは、

長手の魚種がお好きなんですってヽ(´ー`)ノ

すっごい丸い玉サバも育てるのに!(爆)

IMGP9085飼育場の玉サバたち

 

 

 

 

話を新魚種第2弾に戻しますと、

可愛らしさを持ちつつ、

自然な泳ぎができる金魚を目指したそうです。

 

元にしたのは、

・蝶尾

・透明鱗和金

 

 

@まつやまは、蝶尾と和金で、

どんな金魚が生まれるか、

まーったく想像もつきませんが・・・(;・∀・)

 

 

出来上がったのが「会津福娘」

 

もちろん、飼育場の中に居ましたよ~ヽ(´ー`)ノ

IMGP8899

 

 

福娘の定義など詳しくは

福島金魚のスポークスマンこと、

金魚十尾十色naga91010さん

ブログにお任せするとして(笑)

参考:2013.会津福娘 親(四歳)

 

 

簡単に列挙しますと、

 

・体色はなんでもOK!OK

・和金体型で詰まった胴

・尾は短尾を基本。大きくても良いけど吹流しはNG。

 

・・・というのが会津福娘。

 

さて、特徴を分かっていただけたところで、

掬ってもらった福娘の写真を

ご覧いただきましょう!

 

え?これ地金?(´゚ω゚`ノ)ノ

IMGP8870

 

 

 

「これ、調色してるんですか?」と

思わず聞いてしまったのですが、

荒井さんは笑いながら「まさか」。

 

六鱗柄はそこそこの比率で出るそうですよ(;・∀・)

 

 

上見の写真です。

尾に蝶尾の特徴が出てて、

確かにボディは中寸。

@まつやま、正直、ぶっ飛びました(:.o゚з゚o:.).:∵

これはスッゴイ!!!

IMGP8872

 

 

荒井さん曰く、

「福娘はnagaさんが良いのを全部もってっちゃった」から

「今はいいのがあまり居ない」状態。

 

後からnagaさんと話したところ、

この六鱗柄の仔はnagaさんも欲しかったそうですが、

譲ってもらえなかったそうです。

いや~、そりゃそうでしょwwwww

 

 

さて、この福娘、

けっこうな確率で猩々(全部赤)が出るそうです。

もちろん、掬って見せてもらいましたヽ(´ー`)ノ

IMGP8892

 

 

六鱗柄の仔よりも、お腹が丸いですねー。

少し琉金寄りな感じがして、

@まつやまの好みです!

尾は蝶尾の血ですね~ヽ(´ー`)ノ

見事な開き!

でも、顔はキリリと和金系という…

なかなかに絶妙なバランスです。

 

上見だとこんな感じ。

すみません、写真失敗気味ですm(__)m

IMGP8891

 

 

荒井さんによると、

福娘はまだ完成形ではないとのこと。、

累代しても尾やボディのバリエーションが多すぎて、

「今はちょっと行き詰まり感があるんですよ」。

 

 

でも、和金に近い体型で尾が蝶尾のような金魚って、

ステキだと思いますし、

少し琉金に近い体型の丸手だって、

全然アリだと個人的には思いました。

 

和金の血が入ってるだけあって丈夫そうだし、

色柄もいろいろあって楽しいし、

尾が美しいし、

入門魚としてこういう魚種が普及するのも

良さそうだなーとか、

勝手に妄想列車に乗ってしまいましたw

 

 

 

さて!

続いての品種はこちら!

お待たせしました。

「会津じょっこ」ですヽ(´ー`)ノ

 

じょっこは2010年のLOVE FISHフェアにも

出展されてたそうで、

ご存知の方も比較的多いかもしれません。

 

じょっこ、とは会津の言葉で「カワイイ女の子」の意。

「嬢+子」で「お嬢さん」って感じでしょうか。

同名のお菓子もあるそうです。

参考:白虎堂

 

IMGP8790

 

 

nagaさんは、じょっこに魅入られた瞬間、

「なに?このグッピーみたいな金魚!」

と思ったそうですが、

@まつやまもそう思いましたw

 

 

尾ビレは三角形のデルタテールが理想。

そして長く上に伸びる背びれ!

・・・ハイフィンの金魚なんて、

一部の中国系金魚(一点物)を雑誌で

見たことがあるぐらいで、

実物は初めて見ました(;・∀・)

 

 

じょっこの群れ~ヽ(´ー`)ノ

若いじょっこは尾も背ビレも、

ピン!としてて、良いですね~!

IMGP9030

 

 

 

このじょっこたち。

荒井さんが会津福娘を繁殖し、

選別している時に、

1枚尾の仔をハネようとして、

奥さまに指摘されたんだそうです。

「こういう仔はダメなの?」

 

 

なんと!

それが「会津じょっこ」の原型なんですって!

 

 

ネットで会津じょっこを調べると、

和唐内の改良中に出現した形質を

固定した、との記述がいくつか見つかりましたが、

福娘のハネから作出したのが

じょっこ、ということのようです。

 

だから、どちらも「娘」なんでしょうか?

(命名の経緯については聞き忘れました)

 

ちなみに奥さまは、

ウクライナ出身のすっごい美人。

故郷では金魚を見たことが無かったそうです。

(一部の富裕層は飼育してる、とのこと)

 

「私が見つけた金魚だから、

じょっこが一番かわいい」

とおっしゃってました。

そりゃそうですよねヽ(´ー`)ノ

 

 

じょっこは、水槽飼育。

ずらっと並んだ水槽の中はじょっこが大半でした。

IMGP9041

 

 

上見のキレイな金魚を

目指して創った福娘なのに、

そこから派生した「じょっこ」は

完全に横見の金魚。

当然水槽になっちゃいますよね~w

 

選別中にそれをチョイスした

奥さまのセンスに脱帽ですヽ(´ー`)ノ

 

 

 

じょっこは、普通鱗も桜もOKという定義だそうで、

実にいろんなタイプの仔がいました。

 

シルク系の仔は冒頭に紹介しましたが、

こちらは黒目で赤勝ちの桜系。

IMGP9036

 

 

お好きな人にはタマラナイ、

アルビノのじょっこも!(´゚ω゚`ノ)ノ

IMGP8781

 

 

出自がまったく違うものの、

中にはブリストル朱文金のような、

ハートテールっぽい仔も出ちゃうそうです。

ブリストルも朱文金と蝶尾の交配で

作出された魚種だそうですから、

図らずも似た雰囲気の仔は生まれるでしょうね。

 

でも、じょっこはあくまでデルタテール。

 

この仔も尾に切れ込みが少なく、

三角尾に近いし、背ビレもビシッとしててキレイでした。IMGP8792

 

 

会津じょっこを見たのは、

もちろんこれが初めてでしたが、

かーなりのインパクトでしたヽ(´ー`)ノ

 

特にハイフィンが!

 

長手で優雅な金魚がお好きな方は、

ヨダレものでしょうね!(^q^)

 

 

というわけで、荒井さんの作出した、

3魚種を紹介しましたが、

あともう少しだけ、レポートは続きます~ヽ(´ー`)ノ

 

 

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福島・関東金魚旅(2)会津錦に逢ったゾ~ヽ(´ー`)ノ

 

IMGP8783

 

 

では、皆さんご唱和ください!

1、2、3!

じょっこ~っ!!

 

 

 

というわけで、福島遠征レポート、

【1日目の続き】です。

(すみません、会津じょっこの話は次回ですw)

 

 

 

@まつやまが会津若松市で訪問したのは、

ペットショップ「TINKER BELL」。

経営者の荒井康雄さんとお会いしましたヽ(´ー`)ノ

 

荒井さんは新品種「会津錦」「会津福娘」「会津じょっこ」の作出者。

福島に来たからには、ぜひお会いしたかったですし、

どんな場所で、会津錦たちが生まれたか見てみたかったんです。

 

 

タクシーを降りると、荒井さんが出迎えてくださりました。

第一印象は「優しそうな人」。

実際、すごく話しやすい方でした。

 

 

お店でいろいろ話をしてるうちに盛り上がってしまい、

「そろそろ飼育場行かないと、暗くなりますよ」と

促される始末(;・∀・)

 

 

どどーん!と飼育場ヽ(´ー`)ノ

専用の小屋(というには大きい)ですね。

IMGP8743

 

 

自作のタタキは水深がけっこうあり、

鯉でも飼えそう(というか、実際数尾いました)で、

屋外に濾過槽があるそうです。

その他、水槽や舟がありましたが、

水深はいずれも深めだったのが印象的。

 

 

 

この飼育場、ほとんどがご自身の手作り(´゚ω゚`ノ)ノ

・・・これが作れるなら、何やっても食べていけそうですよね(笑)

 

 

 

飼育場に入ると、まずお出迎えしてくれるのは、

大きめのタタキにいる、でっかい銀朱文金の大群!

IMGP8748

 

この写真では伝わりにくいでしょうが、

どの仔もかなりのサイズ。

それがエサクレダンス、なんて生易しいものじゃなく、

一斉に襲い掛かってくる!

ぐらいの勢いで寄ってきます(;・∀・)

 

 

他の水槽に居た仔を掬ってもらったのですが、

サイズはこんな感じ。

というか、お見事!としか言いようがないですよね~

黒がキレイで渋い!

重厚な感じが@まつやまドストライクです!

IMGP9069

 

 

「こんなデッカイ仔たち、どうするんですか?」と尋ねてみたら、

荒井さんは笑顔で「銀朱文は好きで飼ってるんですよ~」。

 

浅葱より黒がお好きなんだそうで、

メタリックなボディに漆黒が入る仔がお気に入りだそうです。

 

 

通路を挟んで向かいのタタキには・・・

いました会津錦!

やっと逢えたぜ~!

IMGP8990

 

 

明け二歳だったかな?

まだそれほど大きくはありませんが、

これだけ多くの会津錦を見られるのは、

作出者さんのご自宅ならではですよね!

IMGP8991

 

ちなみにタタキの撮影では、

偏光フィルターが大活躍でした(  ̄ー ̄)

肉眼で見るよりキレイに魚が写ってましたから。

ただ、ピントがうまく合ってなくて・・・申し訳ない(;・∀・)

IMGP9011 

 

 

タタキをぱっと見た瞬間は「玉サバ?」って感じでしたが、

けっこう長い仔もいますし、体色は桜ヽ(´ー`)ノ

 

 

 

会津錦は、

玉サバよりは長く!

和金よりは丸く!

というのが理想の体型だそうです。

 

新潟県で言われるところの、

サバ尾(少し体高がある)や、

玉サバ尾(玉サバとサバ尾の中間)の体型でしょうか。

 

 

@まつやまのレポートなんかより、

会津錦に関しては、

福島金魚のスポークスマンこと、

金魚十尾十色naga91010さんが

きちんとまとめてらっしゃいますので、

そちらをお読みいただくと良いと思います。

参考:会津錦の品種の説明と見方と選別

 

 

 

後刻、室内水槽に居た、見事な

会津錦を掬って見せてもらいました。

 

どうでしょう?この美しい桜!ヽ(´ー`)ノ

IMGP9136

 

 

 

荒井さんは「動物全般なんでも好き」で、

子供の頃から金魚も飼ってたそうです。

 

高校の頃、金魚関係の本を読んでいて、

地金魚の存在を知ります。

そして、隣の県の山形には庄内金魚、

新潟には玉サバがいるのに、

福島には地金魚がいない!

ということに疑問…むしろ怒りに近い感情を持たれたようです。

 

 

金魚伝来から約500年。

500年もあったのに、

福島の人たちはなぜ地金魚を

創らなかったんだ!

 

と思ったんだそうです(´゚ω゚`ノ)ノ

・・・スゴイ高校生ですねー(;・∀・)

・・・というか、なんて高校生でしょう!w

 

 

荒井さんは現在に至るまで、

師匠的な人はおらず、

やはり高校時代に金魚の繁殖を

自己流で人工授精にトライ。

 

テレビで見たシャケの人工授精を

参考にして大失敗したり(´゚ω゚`ノ)ノ

 

試行錯誤のすえ、成功し、

金魚を繁殖させるのが楽しくなったころ、

自分の手で地金魚を作ろう!

と思ったそうです。

 

 

 

当然、というか、その試みが最初から

うまくいったわけではありませでした。

 

荒井さんはまず、当時は流通してなかった、

キャリコ柄の三尾和金を創って、

「会津和金」と命名。

意気揚々とペットショップに持ち込んだところ、

そのお店は、店頭ポップに「変わり金魚」とだけ表記。

・・・交雑金魚と見なされちゃったんですね(´;ω;`)

 

その後キャリコ和金や三色和金は、

他の地域でも作られ、流通するようになったため、

「会津和金」は幻に。

 

 

 

そして今から15~16年前、

「他には居ない」「子どもが見てもカワイイ」

ということを意識して創ったのが「会津錦」

 

ヘラブナ体型の透明鱗金魚って、

他には居ないだろうってことが着想の原点だったそうです。

 

・庄内金魚

・玉サバ

・透明鱗和金

 

この3魚種を交配してみたところ、

いろいろな体色・体型の金魚が出てきた。

この仔たちを累代繁殖させていくと、

アルビノが多く出た世代もあったり。

「透明鱗和金にいろんな遺伝的因子が入ってて、面白い仔がいっぱい出た」

 

 

それを現在の体型・体色で固定していったのが、

会津錦、というわけですヽ(´ー`)ノ

 

なるほど、ヒレ…特に胸鰭が長い仔が出るのは

庄内金魚の影響なんですね(´゚ω゚`ノ)ノ

 

 

隣県の地金魚である庄内金魚や玉サバを取り入れ、

地域性を意識しつつ、

誰が見てもカワイイと思う桜の体色!

 

 

試しにネットで販売したところ好評で、

それが金魚の専門雑誌の編集長の目に留まり、

その雑誌に掲載されたこともあったそうです。

 

 

 

・・・ここまで書いてきて、何か足りないな、と思ったのですが、

荒井さんは玉サバの名手でもあるんです。

2009年の玉サバ品評会のグランドチャンピオン(総合優勝)ですヽ(´ー`)ノ

参考:古志の玉は静かに暮らしたい様「第3回玉サバ品評会結果報告」

 

 

金魚の新品種というと、

ちょっと眉唾なケースもあると思います。

@まつやまがこれまで見聞きしてきた範囲でも、

池にいろいろ入れてたら

交雑しちゃったから名前を付けて売ろう、

っていう「なんちゃって新魚種」もいれば、

変わった体色の金魚が出来たから、

ハネずに名前を付けてみよう…なんて、

我田引水な話もあるそうです。

 

 

でも、荒井さんは玉サバ(サバ尾)や福だるま、

庄内金魚、朱文金など、

ベーシックな魚種を見事に作り上げる技術を磨きつつ、

高校時代に抱いた「福島の地金魚を!」という夢を

追い続けている、ということなんだと思いますヽ(´ー`)ノ

 

IMGP9107 室内水槽での会津錦たち。全体的に柔らかな印象がステキヽ(´ー`)ノ

 

 

 

次回に書く予定ですが、

荒井さんは会津福娘、会津じょっこ、という新魚種も

創られてます。

 

ですが、地金魚にする、という点での

本命は、この会津錦のようです。

今後は地元での普及活動にも力を入れていきたい、とのこと。

 

まだ、会津錦を生産しているのは荒井さんだけですし、

地元・会津でも飼育者は多くなく、

「荒井さんの金魚」という段階です。

でも、これから「会津の金魚」「福島の金魚」

そして「東北の金魚」になるのを期待したいですヽ(´ー`)ノ

 

 

つづきます~

 

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